行った先で、人に恵まれる

「小さな花束」展のこと

  2011年の5月に、私は個展を予定していました。

 その2ヶ月前の3月11日、未曾有の災害にショックを受け意気消沈。こんな時に個展なんて。。。。友人の絵本作家や編集者さんに、助けをこいました。

 

 

 呼びかけに応えて、絵本作家、イラストレーターのみならず、こどもの本に関わるクリエイターたち30名余りが集まってくれました!個展のために予約していたギャラリーで、どこよりも早くチャリティー展を開催することになったのです。

「今できることをやろう!」と、それぞれ持ち寄りの復興支援チャリティー「小さな花束」展

 

 まるで学生に戻ったかのように、絵本あり、立体あり、手芸あり。その精度の高いこと!高いこと!みんなプロだもんね。まるで学園祭のような賑わいで、和気あいあい。やれるところまでやろう!行けるところまで行こう!楽しくなければ長続きしない!自分たちも笑顔になれることをしようと。

 最初の年の売り上げは日本赤十字社に寄付したものの、どんな風に使われるのかが分からずじまい。

 

 

 2012年、「震災で消えた小さな命」展へペットポートレイトを出展したご縁を頼りに、岩手県宮古市を訪問することになりました。

震災から1年半経ってはおりましたが、その爪痕の大きさに圧倒されました。

 滞在最終日、「今日、出会った幼稚園に、小さな花束展の売り上げを全額寄付しよう!」という決意をしました。その日出会ったのは、岩手県大槌町の「おさなご幼稚園」の箱山園長先生でした。

 その出会いをきっかけに、2016年までに5回開催した「ちいさな花束展」の売上金のうち、約100万円を、おさなご幼稚園に寄付することができました。

 

人の縁に支えられて。。。

 

 

 東京で「小さな花束展」のイラストレーター仲間30名が作ってくれた寄付金を、

 

岩手県の「おさなご幼稚園」へ届けに行くのに同行してくれたのは、私の三線仲間たち総勢20名!

  

 

 

 全てボランティアで、歌と踊りを練習し、オリジナル曲を作り、仕事を調整し、マイクロバスの免許を取り、新幹線とみんなで借りたバスで、岩手県宮古市へ。

 

 

 仮設住宅や災害公営住宅での公演を始めに、この活動から縁をいただいた、岩手県釜石市の宝来館に宿泊するついでに公演し、道中の山田公民館や道の駅でもライブ。そして、一番最後の目的地が、こどもたちが待っている「おさなご幼稚園」でした。すっかり旅芸人ですね。(笑)

 

 

 この活動を5年間も支えてくれた仲間たちと、暖かく迎えてくださった宮古市、釜石市のみなさまとの時間が忘れられません。

そして更に奇跡は続くのです。

 

2019年全く別のことで、たまたま東京で知り合った22歳の若ーいお友達。

話してゆくうちに、彼女が岩手県釜石の出身だということ。

そして、なんと「おさなご幼稚園」の卒園生だということ!!

 

大学生として、東京の大学で元気で頑張っていること!

 

 こんな出会いってあるのですね。

 

 そして、ペットポートレイトでご縁のあった「震災で消えた小さな命」展のことをまとめた、絵本作家うささんの「災害で消えた小さな命」という本をいただいた日、彼女が我が家に遊びに来てくれました。

 

 

 私たちが、おさなご幼稚園に通ったころには、すでに彼女は中学生だったけれど、今こうして、時間と空間を超えて、彼女の笑顔に出会えたことは、奇跡としか言えません。

 

 

 ペットポートレイトが導いてくれたたくさんのご縁 行った先で、人に恵まれる。本当に感謝。ありがとうね!